1月10日(火)、淑徳大学公開講座「すべては心の表れ-『唯識三十頌』を読む(2)-」の第7回(全12回)をしてきました。
唯識思想とは、「私たちの世界は、自分の心が作り出したものだ」という考えです。そう言われても、納得できる人はまずいないでしょう。これは、修行によって自分の心の在り方を観察していった結果として発見されたことなのです。心が作り出したのだから、実体が無い、すなわち「空」なのです。
その見方が身についている人と身についていない人で、ものの見え方が違うというのが、今回の話でした。たとえて言うなら、蜃気楼のようなものです。砂漠でオアシスが見えても、それが蜃気楼だとわかっていない人は、そこにオアシスが実在すると錯覚して駆けだして、かえって苦しむことになります。しかし、それが蜃気楼だとわかっている人なら駆け出したりしません。同じものを見ていても、見え方は違うのです。
次回(1月24日)は、唯識の思想が身についている人にはどのように見えているか、のお話をします。